妻とのこと

妻は結婚当初から言動が普通ではない状態でしたが、それがアスペルガー症候群から来るものだということがわかったのは結婚してから15年ちょっとたってからでした。

原因がわからなかった時は単に性格の悪い女だと思い、何度も離婚しようと思いましたが離婚できずにズルズルと15年が過ぎました。

原因がわかって精神の病気なのだと理解した後、思い返してみると、色々な場面で妻は妻なりに苦しんでいたのにそれをうまく表現できなかったのだと思えるようになりました。

すると私自身の方にももっと対応の仕方があったのにと思うようになりました。

それからは私も妻もお互いの接し方が変わってきました。

私は妻のことを悪く思ったり、怒って怒鳴ったりすることが減って、「どうすれば妻に伝わるだろうか」と考えて、感情的にならずに話すようになり、妻は自分が人とはちょっと違っていることを認めて、「どういう言い方や態度をとれば人から誤解されないか」を謙虚に聞いてくれるようになりました。

 

ただ、発達障害の診断を下すのはとても難しいそうで、私たちが15年前に住んでいた地方都市には診断を下せる精神科医がおらず隣町まで出かけて行きました。

 

私たち夫婦には子供がいませんでしたが、妻のことがわかる前だったらとっても子育ては無理だったと思います。

でも、朝日新聞でも連載されていましたが、原因がわかっていれば家族で力を合わせて頑張っていけそうだと私も思います。

ですから、抵抗はあるかもしれませんが、学校や検診などで発達障害の疑いがあると言われた時はきちんと診断できるところで受診してはっきりさせた方が良いと思います。(子供でも大人でも)

 

私の塾にも(私が素人目で見た感じですが、妻にそっくりでした)発達障害が疑われる生徒がいました。

学校の成績もまあまあなのに、時々大人がカチンと来るような言い方をするものですから先生の覚えが悪く、通知表の成績で明らかに損をしていました。

私の街の学校の先生はなぜか発達障害についての知識がほとんどない人が多いです。ちょっと勉強すれば分かりそうなものですが、その子の中学校の先生は誰もそういうことを考えてくれません。

あまりに不当で可哀想なので面談の際お母さんに遠回しに「どこかに相談すること」をお勧めしたのですが気分を害されてしまい解決に至りませんでした。全く私の不徳の致すところではありますが、良い子なのに誤解されていて可哀想です。

いつか自分か親が気づいて診断を受け、理由がわかって先生や周りにうまく伝われば正当な評価をされると思います。

最近はテレビをはじめ色々な媒体で発達障害のことを取り上げてくれていますし、世の中にもっと理解が広まってくれると良いと思います。